傷病手当金の申請、できる?できない?を判断する方法

当オフィスのブログ・動画をご覧いただいた方からご質問をいただきました。(H様、この度は大変な状況の中、勇気を出してご質問をいただきまして、ありがとうございました。)
休職に関する記事は本ブログでもかなり多くの方に読まれていますので、同様のお悩みをお持ちの方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
H様からのご質問はこちらです。
YouTubeで「妊活のために仕事を休職する時~」の動画を拝見し、ご連絡します。これまで不妊治療と体外受精(3回)を行っておりますが、妊娠に至らず、会社を休職(6ヶ月)することにしました。今まで、会社勤めながらだと繁忙期に休みが取りづらく、体外受精の治療時期を後ろ倒しでなんとか頑張ってきましたが、妊娠に至りませんでした。更に、39歳の年齢に比べてAMH数値も非常に低く、体外受精のリミットを感じたので、自宅で療養しながら、不妊治療に専念しようと思いましたので、休職しました。それで、5月から新しい不妊クリニックで4回目の体外受精をしようとしていますが、医師から労務不可をみとめませんと言われました。
既に治療費で200万円以上掛かりましたし、これからの治療で更に100万ぐらいはかかると考えられます。
こういう状況の場合でも傷病手当金の申請はできないのでしょうか。何卒、ご助言を頂けますようよろしくお願いします。
H様、不妊治療で体力的にも経済的にも精神的にもかなりご負担がありますよね…。傷病手当金を受給することができたらかなり安心ですよね。
以下、ご質問にこの場でご回答させていただきますが、ひとりでも多くの女性のお役に立てればと思います。
傷病手当金が支給される条件とは
動画や記事でも解説していますが、復習のためにもう一度、傷病手当金を受給するための要件をみてみましょう。
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
- 休業した期間について給与の支払いがないこと
- 同じ病気を理由に、障害厚生年金または障害手当金、労災保険から休業補償給付などを受けていないこと
この5つの要件を満たすことができれば、傷病手当金の支給を受けることができます。
Hさんは5つの要件を満たしているか
Hさんのお勤め先で加入している健康保険組合が特殊でない限り、要件はこの5つになると思います。ご質問で書かれている状況から推測しますと、Hさんはこの2つ目から5つ目の要件は満たすことができていると思われます。
問題は1つ目です。1つ目の要件にある「病気やケガ」に、不妊治療が含まれるのかどうかは、判断が難しいところです。そもそも不妊治療が高額になってしまう理由は、高度不妊治療が保険の適用外だからです。保険の適用外、ということは、不妊治療が一般的な病気ではないと判断されているから、と推測できます。(不妊治療に取り組んでいる女性にとってはなかなか厳しい状況ですね…。)
(ここからは私見なのですが、)
ただし、可能性はゼロではないと思います。不妊治療をしている原因が、他の病気を原因としていることがあるからです。
私も独身で会社員の頃、子宮内膜症でかなりひどい生理痛に悩んでおり、有給休暇以外に生理休暇をとっていたこともありました。子宮内膜症や子宮筋腫などの病気に苦しんでいる女性は結構いると思います。子宮や卵巣に病気があるということは不妊につながる可能性も高く、治療をしながら不妊治療を行うケースも十分考えられます。
その場合、傷病手当金の支給対象となる可能性はあると思います。ぜひ、受診している医療機関に相談してみましょう。
医師に病名を直接記入してもらう必要がある

↑こちらは傷病手当金の申請書で、療養担当者(医師等)に記入してもらう箇所です。
H様の場合、「医師から労務不可をみとめませんと言われました」とのことですので、申請書への記入を受け入れていただけなかったということでしょうか。状況が詳しく分かりませんが、もし傷病手当金を受ける要件がそろっていると判断できる場合は、もう一度受診している医療機関で確認してみてはいかがでしょうか。
傷病手当金がもらえなくても
不妊治療にお金がたくさんかかって、傷病手当金がもらえなくて…となると、金銭面での不安はかなり大きいですよね。「傷病手当金をもらえなかった」というガッカリした気持ちをバネにして、お金や資産形成についての勉強をしてみるのはいかがでしょうか。
お金の知識というのは、これからの長い人生の中でかなり大きな武器になります。
もうご存知とは思いますが、お住まいの地域の不妊治療の助成金の申請や、確定申告による医療費控除も忘れないようにしてください。
キャリアプランを見直してみるのもいいと思いますし、家計の断捨離をしてみるのもいいかもしれません。ライフプランを作ってみれば、不安は意外と小さくなることもあります。
H様のこれからの人生を応援しています。また何かご質問があれば遠慮なくご一報くださいね。
傷病手当金申請書の取り扱いはなかなか難しいですね^^
ひらぎ様
いつも記事を読んでくださり、ありがとうございます(^^)