扶養の壁と妊活中の女性の働きかた

妊活をはじめるとお仕事をされている方(特に会社員の方)で、ご自身の仕事のあり方について悩まれる方が多くいらっしゃいます。

今その仕事を続けるのかそれとも辞めて妊活に専念するのか。

その2つの選択肢以外にも「仕事のペースを落とす」という方法があります。

職場内でポジションを変えてもらったり、職場の仲間に協力してもらったり、できればいいのですが、そうはできない環境の方もいます。

そんなときにはいったん退職してしばらくは時間に融通がきく仕事に就くという方法をとることもあります。

バリバリに働くのではなく、ペースを落として働くときに悩める?のがいわゆる「扶養の壁」ですね。

本記事では、働きかたと扶養について、とりあげてみます。

キャリアプランを考えるときの1つの目安として扶養のルールを知っておきましょう。

 

まず考えるべきなのは、あなたがどうしたいかということ。

扶養の具体的なルールの話をする前に、まず、考えておくべきことがいくつかあります。

・そもそも働きたいのか?

・扶養の範囲内で働こうと思っているなら、その理由は?

・将来の自分のキャリアプランをどう考えているか?

ということです。

そもそも働きたいのか?

妊活をはじめてみた。で、仕事をやめようかなと考えてみた。

このときに、そもそも働きたくなかったから妊活を理由(言い訳)にやめる(またはパートなどに変える)方向に進む方がいます。

扶養の範囲内で働こうと思っているなら、その理由は?

それでも働くなら「なぜ働くの?」と自分にもう一度きいてみましょう。

おこづかいがほしいから?

将来のため?

だんなさまに申し訳ないから?

色々な気持ちがあると思いますが、扶養云々の話より前に、まずは「自分の気持ち」をまず大切にしましょう。

将来の自分のキャリアプランをどう考えているか?

そして、これが一番重要です。

ゆくゆくはどうしたいのか。

いつでも辞められる仕事でいいから細く長く続けたいのか

落ち着いたら、それまでの経験を生かして再就職したり、起業したりしたいのか

早めに仕事をすっぱりやめてしまいたいのか。

お金の専門家の立場からは人生100年時代ですから、ずっと働くことを前提にキャリアプランを立てることをおすすめしています。

もちろん、すっぱり辞めたい方もそれで幸せになる方法を一緒に探しますが、夢をかなえるためにお金が必要なときに毎日1000円節約して月に2万~3万貯めるのと、毎月3万円分働くのとでしたら、3万円分働いたほうがずっと幸せ度は高いと思います。

仕事をずっと続けていきたいということでしたらじゃあ今、どういう行動をとるべき?…というのも、考えやすくなりますよね。

扶養の種類は大きく分けて2種類!

前置き?が長くなりましたが、「扶養」について説明していきますね。

ここでは、夫が働き、妻が扶養にはいる…という前提で書きます。(逆のパターンもありますが‥)

まずは「扶養」という言葉には2種類あることを知っておきましょう。

ひとつ目の扶養:税金上の扶養

税金上の扶養というのは、夫の所得にかかる税金を安くできるかという点に注目します。

これは、夫が会社員でも自営業でも同じです。

ふたつ目の扶養:社会保険の扶養

ふたつ目は社会保険上の扶養です。社会保険には、健康保険・介護保険・厚生年金保険があります。

社会保険上の扶養に入るとこの保険料を支払わなくて済みますので世帯の社会保険料負担が減ることになります。

ただし、これは夫が会社員の場合のみになります。

自営業の場合は、

健康保険→国民健康保険

厚生年金保険→国民年金

となり、「扶養」という考え方はありません。

税金計算上の扶養

会社員の方でしたら主に年末調整、自営業の方でしたら確定申告の手続きで毎年、「所得」と「所得税」を計算します。

税金が安くなるしくみ

「所得」から、色々な「所得控除」たとえば、

基礎控除・配偶者控除・医療費控除・生命保険料控除

などを引いた金額が「課税される金額」そして、そこに税率を掛けたら税金の金額が計算されます。

計算式: (所得―所得控除)×税率=税金

ここでいう「所得控除」の中の

配偶者控除

配偶者特別控除

を使えるかどうか、がいわゆる「扶養の壁」といわれています。

使えればその分、夫の税金が安くなるわけです。

よく聞く「103万円の壁」は配偶者控除を使えるかどうかということなんですね。

配偶者控除と配偶者特別控除はどちらかひとつ

年間のパート妻のお給料(総支給額)が103万円以下(=合計所得が38万円以下)であれば配偶者控除

103万円~201万円(合計所得が38万円超123万円以下)であれば配偶者特別控除

の対象になります。

ただし、妻の所得条件を満たしただけでは控除は受けられません

↓こちらも確認しましょう。

控除を受けられるかのチェックポイント ・民法上の配偶者であること(事実婚や内縁は×) ・生計を一にしていること(別居はOK) ・青色(白色)申告者の事業専従者でないこと ・夫の合計所得が1,000万円を超えないこと(年収でいうと1,220万円)

また、実際の控除される金額も夫の所得金額や、妻の所得金額で違ってきますので実際の計算をされるときは、注意してください。

配偶者控除額又は配偶者特別控除額の表

↓くわしい要件はこちらを確認してみてくださいね。

配偶者控除

配偶者特別控除

社会保険上の扶養のしくみ

社会保険上の扶養は、年金保険料や健康保険料がかからずに国民年金の加入したり健康保険のサービスを受けることができますので、家計への影響だけ考えると、かなり大きい場合があります。

(ですので、扶養者認定はかなり厳しくなっています。)

130万円の壁』などと呼ばれていますね。

社会保険の扶養に入る要件

社会保険の扶養に入るには、

年間収入が130万円未満であって(60歳以上・障害者の場合は180万円未満)

かつ

同居の場合収入が夫の収入の半分未満

別居の場合収入が夫からの仕送り額未満

という要件を満たすことが必要です。

ただし、これは原則なので細かい要件は、夫が加入している組合などに確認してくださいね。

特に、妻が自営業の場合は要注意です。

130万円の判定を

・収入でするか

・経費控除後の金額でするか

・そもそも開業してたら扶養に入れないか

など、ルールが違う場合があります。

妻が大企業で働くと、もうひとつの壁(106万円の壁)があります。

・正社員が501人以上 ・収入が月88,000円以上(年収約106万円) ・雇用期間が1年以上 ・所定労働時間が週20時間以上 ・学生ではない

この要件を満たした場合、妻は夫の扶養には入らず、妻は勤めている会社の社会保険に加入することになります。(要件を満たしていなくても労使合意などで加入できることがあります)

社会保険に入ると、会社と折半で健康保険料や厚生年金保険料を支払うことになりますので家計への負担は増えることになります。

ざっくり計算すると、106万円働いて年間15万円くらい保険料を負担することになります。

一方で、社会保険に加入することには大きなメリットもあります。

社会保険に加入するメリット
・将来受け取る厚生年金が増える!
・病気やケガで仕事ができなくなってしまったときに傷病手当金が受けられる!
・出産手当金が受けられる
・(31日以上の連続雇用、週20時間以上勤務であれば)雇用保険の対象になり、失業手当が育児休業給付、介護休業給付が受けられる可能性がでてくる!

夫に支給されている配偶者手当にも注意!

会社によっては、夫の給料の総支給額に「配偶者手当」「配偶者扶養手当」などが含まれている可能性があります。

これが支給されるかどうかの判定が税法上の扶養に入っているかどうかで行うケースが多いのです。

妻の収入が102万だと支給されて103万円になると支給されない、となるとギリギリのところで働く場合はちょっと注意が必要になりますね。

扶養の制度、今後はどうなる?

実は2019年度から、税金計算上の扶養の内容は大きく変更されました。

今後も、制度の内容はどんどんアップデートされていくと思われます。

急に大きく変わることはなくても、少しずつ、変更されていくでしょう。

方向としては、縮小されていくことが予想されます。

実際に世の中の流れとして、専業主婦(第3号被保険者)は減少していますし専業主婦でも扶養内で働く人は増加しています。

参考:専業主婦世帯と共働き世帯

扶養内で働くメリットは、少なくなっていくでしょう。

一番大切なのは、自分の気持ち

今、働く時間を増やしたくないのでしたら夫の配偶者手当の支給要件や社会保険の加入ラインを意識して働く時間をセーブしていいと思います。

扶養を少しだけ超えてしまったことで手取りが減ることに抵抗があれば、働く時間を思い切って増やしたり、仕事を変えてみたり、ということを考えることが必要でしょう。

目先のキャッシュのことだけでなく将来のことを考えて経験や人脈を広げることを重視した選択もありだと思います。

一番大切なのは、自分の気持ち

そのうえで、これからのことを決める材料のひとつとしてこの記事が参考になりましたら幸いです。

 

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