親に妊活や子育てを資金援助してもらうときに知っておきたい税金のお話
こんにちは。岡田のりかです。
結婚や、子育ての資金を
ご両親から援助したもらう場合に
贈与税が課税されませんよーという制度があります。
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」
といいます。
この資金には、妊娠に関する費用も含まれますので
『不妊治療』のお金も含まれます。
期間限定の制度なのですが、
知らないと活用できません。
税金の制度は、毎年変わりますので
とっても分かりにくいのですが、
この記事を読んで、あらましを理解しておきましょう。
Contents
そもそも「贈与税」って‥?
贈与っていうのは、
あげる人(贈与者といいます)が
財産を無償で相手(受贈者といいます)に
あげる契約のことをいいます。
契約といっても
「これあげる!!」
「うん。もらう!ありがとっ!」
↑こんなやりとりだけでOKの契約ですから
普段から、ちょくちょくと交わされていますよね。
「あげる!」ものは全部贈与になる???
一番身近なのは
家族の生活費とか教育費とかです。
当たり前すぎてあまり意識されていませんが、
こういうものは税金がかからない(非課税)ことが
きちんと明記されています。
夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から 生活費や教育費に充てるために取得した財産で、 通常必要と認められるもの。 ここでいう生活費は、 その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、 また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。 |
お香典、お祝い金、お見舞い金なども非課税ですね。
あと、亡くなったときに取得する財産については
相続税がかかるので、贈与税はかかりません。
贈与税がかかるのは?
では、どんなときに税金がかかるかというと、
1年間の贈与金額が110万円をこえた場合
です。
まとまったお金がやりとりされた場合、ということですね。
(他にも色々ありますが、ここでは細かい内容は記載しません。
難しくなってしまうので…)
ちなみに、名前が「贈与税」なので
あげる人(贈与者)が税金を払う人のような
気がしますが、違います。
贈与税の申告義務があるのはもらう人(受贈者)なので気を付けましょう。
贈与税が軽くなったり免除されたりするのは
上に記載したとおり、
「110万円まで」という基本的なルールはあるのですが、
特別ルールが色々とあります。
主なものを挙げてみますね
家を買う場合の資金
- 住宅取得等のための時限的な贈与税の軽減
両親や祖父母から、住宅購入の資金を援助してもらった場合に
贈与税が軽減されます。
(2021年12月31日までの贈与が対象)
参考:タックスアンサーNo.4508
長年の夫婦
- 贈与税の配偶者控除
20年以上の夫婦は
住むための不動産の購入資金の贈与は
最高2000万円が控除されます。
参考:タックスアンサーNo.4452
教育資金
□教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
30歳未満の子どもや孫に、
「一括で」贈与した場合に
ひとりにつき1500万円まで非課税となります。
(平成25年4月1日から平成31年(2019年)3月31日まで※)
参考:タックスアンサーNo.4510
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
※
所要の見直しを行った上で
2年間(2021年まで)延長することとなりました。
結婚・子育て資金 (☆不妊治療費はここに含まれます☆)
□結婚・子育て資金の一括贈与時の非課税
20歳以上50歳未満の子や孫に対する
結婚や子育てに関する資金の援助は
1000万円までは贈与税が非課税になります。
(結婚資金は300万円まで)
(平成27年4月1日から平成31年(2019年)3月31日まで※)
参考:タックスアンサーNo.4511
直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税
※
贈与があった年の前年の受贈者の合計所得金額が
1,000万円を超える場合には適用できない
こととした上で、適用期限を2年(2021年まで)
延長することになりました。
結婚・子育て資金の具体例も挙げられています。
(1) 結婚に際して支出する次のような金銭(300万円が限度となるもの)
1 挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの) 2 家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの) (2) 妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭 1 不妊治療、妊婦健診に要する費用 2 分べん費等、産後ケアに要する費用 3 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)など |
こちらも参考にしてくださいね。 内閣府
結婚資金や子育て資金の一括贈与の非課税を受けるには
上に記載した項目のうち、
結婚資金や子育て資金の一括贈与のケースをとりあげて
注意点をあげておきますね。
領収書などを保管しておくこと
支払の事実を証明しなくてはなりませんので、
領収書はきちんととっておきましょうね。
領収書などの証明書類を「金融機関」に提出すること
これがこの制度の面倒なところなのですが、
金融機関でそれ専用の口座を開設し、
領収書をその金融機関に提出しなければなりません。
※ここでいう金融機関とは、銀行、信託銀行、証券会社をいいます。
言い換えますと、
領収書などは、提出期限までに
税務署ではなく
取扱金融機関に提出する必要があります。
(金融機関で受理されれば、税務署での手続きはいりません。)
申告書を提出するのは、
「もらう側の人(受贈者)」です。
提出期限などもケースによって
細かく決まっていますので
手続きはできるだけ早めにしましょう。
ご参考までに、
この制度に対応してくれる金融機関のリストはこちらです。
50歳になったり、死亡したりしたら終了
もらう人が50歳に達した場合や死亡した場合には
この資金管理は終了になります。
終了したら、口座に残っている残高は
50歳での終了→贈与税
死亡での終了→相続税
の対象になります。
※本記事に記載の内容は、詳細な要件があります。
また、制度は変更される場合もあります。
実際に適用を検討される場合は、制度の内容をよくご確認の上、
必要に応じて税理士やファイナンシャルプランナーなどの
専門家にご相談くださいね。